産地紹介
丹波立杭(たんばたちくい)焼について
兵庫県を代表する陶窯です。瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本六古窯の一つに数えられ、その発祥は平安時代末期から鎌倉時代のはじめといわれています。桃山時代までは「穴窯」が使用されていましたが、1611年ごろ朝鮮式半地上の「登り窯」が導入され、同時期に取り入れられた蹴りロクロ*とともに、伝統技術を受け継いでいます。名称については、「丹波焼」又は「立杭焼」と呼ばれてきましたが、1978年「丹波立杭焼」の名称で国の伝統的工芸品に指定されました。2017年4月には「日本六古窯」として日本遺産に認定されています。
蹴りロクロ*:日本では珍しい立杭独特の左回転ロクロ。
笠間焼について
笠間焼は茨城県を代表する陶窯です。江戸時代の安永年間(1772~1781年)に箱田村(現在の笠間市箱田)の久野半右衛門が、信楽の陶工・長石衛門の指導で焼物を始め築窯したこととされています。明治時代には厨房用粗陶器の産地として知られていました。1992年に国の伝統的工芸品に指定されています。近年、古い歴史に育まれてきた伝統に新たな技法が加わり、「笠間火器」を開発し、土鍋や陶板など新たな商品を生み出しています。2020年6月には、「かさましこ~兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”~」として日本遺産に認定されています。
美濃焼について
美濃焼は岐阜県を代表する陶窯です。約1300年前の飛鳥時代が始まりだといわれています。安土桃山時代、茶の湯の世界の流行とともに、芸術性を高めた美濃焼が登場します。自由な造形、大胆かつ繊細な絵付け、豊かな色彩など、個性あふれる作風の美濃焼は「美濃桃山陶」と呼ばれ、茶人好みに合わせて作られていました。1978年に国の伝統的工芸品に指定。伝統的工芸品として指定されている美濃焼は15種類あります。中でも「黄瀬戸」、「瀬戸黒」、「志野」、「織部」などは、色合いを大切にしたもので、淡い色彩のソフトな素地と釉薬の仕上がり、バランスのとれたデザインが特徴です。
波佐見焼について
長崎県を代表する陶窯です。今から約400年前、波佐見町村木の畑ノ原、古皿屋、山似田の3か所に連房式階段状 登窯を築き、やきものづくりを始まりました。 染付と青磁が中心ですが、初めは施釉陶器を生産 し、その後、村内で磁器の原料が発見され、染付 と青磁を中心とする磁器へ移行しました。大村藩の特産品となり、江 戸後期には染付の生産量が日本一になりました。日常食器を中心に製造され、唐草模様を筆で簡単に描いた「くらわんか碗」と呼ばれた丈夫で壊れにくい、厚手で素朴な製品は波佐見焼の代表となりました。 最近は、色使いやモダンでカジュアルのデザインが多く人気の産地の1つです。
